先ほどの方々が参拝している先にあるのが、この皇大神宮御正殿である。参道を進み、荒祭宮と御正殿との分かれ道のところから見上げると、うっそうとした木々の向こうにちょうど御正殿の屋根を伺うことができた。
手前が新御敷地(しんみしきち)と呼ばれる場所で、現在はここに新宮を建設している最中なので、今はこの風景を見ることはできない。
遠くから伺っても、神宮の建築物の美しさがよくわかる。日本の寺社の中には仏教などの影響を受け、赤や緑など極彩色を使ったものもあるが、神宮の建築物は潔いほどシンプル。木肌の色をそのまま生かし、ほとんどモノクロームに近い色合いだ。その中で千木などに使われている金色の存在感は、厳かな雰囲気を感じさせる。